6m Es 伝播の偏波面
今年の ALL JA はちょこっと Es が開けたこともあって、偏波面変化への対応が議論になりました。
電離層で反射すると偏波面は不定になるので、クロス八木が良いだろうとなりましたが、作ってから効果がイマイチということになるとガッカリですので、根拠を調べてみました。
検索で見つかる論文のほとんどは偏波面の変化を認める内容でしたが、本文が読めるものが一本もない中、水平偏波がほぼ維持されているという論文を発見しました。
96.6MHz~100MHz で水平距離 2000kmでの実験です。
Es はおおよそ 100Kmh なので打上角 3度程度になります。50Mhz で 4と1エリア(19~25度 )の間ではどうなのか知りたくて調べたのですが、手がかりは見つかりませんでした。
そこで実験してみました。
ちょうど JA1 コンテストの開催日でしたので、手持ちのグラスファイバポールを使って水平・垂直DPを、直前にささっと作りました。
GW は水平・垂直で S3-5 位違うので、偏波面は区別できているようです。
しかし、昨年と違ってまったく開けず空振りでした、
午後になると 8 が開けてきました。
どの局も水平偏波の方が S2-3 強いことが確認できました。
RX2台で聞くと、水平・垂直の信号強度の変化は一致しておらず、偏波面が変化しているように感じる場面もありましたが、信号強度は常に水平のほうが強いです。
この日の8エリア(打上角 5-8度) のオープンでは、水平偏波が有利であることは明らかでした。
送信偏波が維持されているのかもしれませんし、水平偏波のほうが反射効率がよいせいかもしれません。
こうなると不思議なのは、LF で指向性のある GP が有利なことです。
上記の結果とは矛盾するように感じますが、周波数が低かったりF層反射だとまた違った現象があるのかもしれません。はたまた、単に打上角が低いことのほうが支配的なだけかも。
などなどと疑問が次々沸いてきます。
とりあえずは、1エリア(水平距離 460-620km)の 19~25度 は、どう聞こえるでしょうか。
楽しみです。
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